「控除できなくなる時期」が延びました
インボイスを発行できない免税事業者から仕入れをしたとき、一定割合を消費税の控除に使える「経過措置」──。
このスケジュールが、令和8年度の税制改正で見直されました。
免税事業者との取引がある事業者の方は、必ず知っておいてください。
何がどう変わった?
免税事業者等からの仕入れについて、消費税をどれだけ控除できるか。その割合とスケジュールが変わりました。
| 期間 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| R5.10〜R8.9 | 80%控除 | 80%控除(同じ) |
| R8.10〜R10.9 | 50%控除 (R8.10〜R11.9) |
70%控除 |
| R10.10〜R12.9 | 50%控除 | |
| R12.10〜R13.9 | 控除不可 (R11.10〜) |
30%控除 |
| R13.10〜 | 控除不可 |
ざっくり言えば、控除割合がなだらかに下がるようになったということです。改正前は「80% → 50% → ゼロ」と急に落ちる設計でしたが、改正後は「80% → 70% → 50% → 30% → ゼロ」と段階的になりました。
影響を受けるのは?
次のような方は、今回の改正の影響を受けます。
- 免税事業者(個人事業主・一人親方など)に外注や仕入れをしている事業者
- 取引先がインボイス登録をしていないケースがある事業者
- 建設業・運送業など、外注先に免税事業者が多い業種
控除割合が変わるということは、消費税の納税額が変わるということです。
もう一つの変更点
今回の改正では、もう一つ重要な変更があります。
課税売上高が1億円を超える適格請求書発行事業者については、免税事業者等からの課税仕入れに経過措置を適用できなくなります(改正前は10億円)。
つまり、売上1億円超の事業者は、免税事業者からの仕入れについて控除が一切できなくなります。令和8年10月1日以後に開始する課税期間から適用されます。
「2割特例」「3割特例」にも影響
インボイス制度をきっかけに課税事業者になった方が使える「2割特例」にも期限があります。また、「2割特例」「3割特例」が使えなくなるタイミングで簡易課税の届出ができる措置も設けられました。
このあたりは事業の状況によって判断が分かれるため、早めに税理士に相談しておくことをおすすめします。
免税事業者との取引がある方へ
今回の改正は、消費税の計算に直接影響する重要な見直しです。
「今の取引先の構成で、消費税がどう変わるのか」「外注先にインボイス登録をお願いすべきか」── そうした判断は、数字を見ながら専門家と一緒に考えるのが確実です。
当事務所では、インボイス制度に関するご相談も承っています。お気軽にご連絡ください。